「イチロー会」通信 VOL.2 (2005.12)
 
 
 山古志の牛を救え

 中越大震災で大きな被害を受けた「タカノファーム」。私財を投じての牛の救出劇は全国ニュースでも大きく取り上げられました。 高野修取締役は、塚田一郎の大学の先輩であり、長岡イチロー会のメンバーでもあります。 震災から約1年を振り返り、当時の様子、決断、そして山古志への思いを伺いました。

【塚田】震災当時、ご自身も車で寝泊りしながらも、全村民が避難している山古志村に 入り牛を救おうと決断されるまでには、様々な思いがあったと思うのですが。

【高野】初めてファームに入れたのが地震発生から3日後でした。 異様な光景が広がっていました。 普段はおとなしくほとんど寝ている牛たちが立ち上がり、悲鳴を上げていました。 水を一滴も飲んでいない牛たちの口は渇ききり、出したまま戻せない舌が垂れ下がっていました。
「みんな死んでしまう。まずは水を与えなければ!」その時は必死でした。 仲間の手も借り、ヘリコプターで信濃川の水を空輸、その後水源を探して何とか水を飲ませることに成功しました。一郎さんにも手伝ってもらったよね。

 <山古志村「タカノファーム」
 を視察>





【塚田】素人の私にも牛がかなり弱っているのが分かりました。 中には池に埋まった牛もいて、とにかくあの異様な鳴き声がしばらく耳から離れませんでした。 あの牛たちをヘリコプターで救出しようという決断には並々ならぬ思いがあったと思うのですが?

【高野】「牛を救わなければ」その思いだけでした。 ヘリコプターでの運送費、それに伴う諸経費などで一億五千万円以上掛かります。 採算だけを考えれば決断できなかったかもしれません。 しかし、牛のなかには闘牛も約30頭いました。 山古志の人たちにとって牛は故郷のシンボル、長年暮らしてきた家族同様なのです。 その思いは私も同じです。
決断するまでには時間が掛からなかったのですが、それからが大変でした。 まず、牛をヘリコプターで運ぶなんで前例がない。 危険を伴うヘリコプターの操縦を引き受けてくれる人がいるのか。 一頭300キロから800キロもある牛をどうやって運ぶのか。 問題は山積みでしたが、私の思いを分かってくれて大勢の人たちが助けてくれました。
まず、パイロットの経験がある長岡市、(有)カツミ商会専務の高野克弘さんが快く協力してくれました。 また、特注のゲージを作ってもらい、地震発生10日後からやっと作業を開始することができました。 一回3〜4頭くらいずつゲージに入れ、ヘリコプターに吊るし、20日間約400回の往復で全頭を 運ぶことが出来ました。 ファームの力だけではやり遂げられなかったと思います。 今から考えると、皆さんからの声援に励まされて後先考えずにやったと言うのが正直な所かもしれません(笑)とにかく言葉に出来ないほど感謝しています。

【塚田】改めてお話を伺って、先輩の「決断力」と「行動力」心から尊敬します。 ただ、今の立場ではお手伝いできることが限られ申し訳なく、悔しい思いをしています。

【高野】今回のことで政治の力がいかに必要であるか一緒に戦ってくれる政治家がいかに必要であるか身にしみています。 例えば、一郎さんが手伝ってくれたお陰もあって、新潟県の復興基金を一部活用させてもらえる事になって助かりました。
ヘリコプターでの輸送費用の約半分の7千500万円を県の復興基金の「家畜の緊急避難事業の補助」 として拠出して頂きました。 更に、牛の預託にかかる補助として約1千万円を支援頂く予定になっています。

   <高野修氏と対談中>






【塚田】こらからはどんなお手伝いをさせていただけますか?

【高野】まずは冬の間、雪で牛舎が倒壊、崩落しないよう対応をお願いしています。 雪が解けたら、道路の復旧も早急にお願いします。 インフラ整備は民間の力では出来ません。 その後牛舎を修繕、一日も早く再開に向かいたいと思っています。

【塚田】私も引き続きお手伝いさせて頂きます。 高野さんは復興後の山古志の姿をどのように考えていらっしゃいますか?

【高野】今「山古志」の名は全国から注目されています。 これからはこの「山古志」と言うブランドを活かし観光的な要素を取り入れることも大切です。 闘牛場を復活させることは勿論、中越大震災の記憶を残すメモリアルドームを作ると言うのはどうでしょう。 帰りには山古志牛や地酒を味わって頂きたいと思います。
全てを元通りには出来ませんが、「山古志」と言うブランドを活かし付加価値の高い復興をしなければなりません。 そのためのインフラ整備は政治が頼り。 同世代でもあり政治家としての一郎さんには期待しています。 応援するよ!

【塚田】ありがとうございます(笑み)
お話を伺って一日も早く国政の場で「地域の声を伝えたい。伝えなければ」と言う思いが強くなりました。 政治も変わりつつあります。 確かに改革は必要ですが、地方切り捨ては困ります。
衆議院選挙でも自民党は勝ちましたが、小泉チルドレンと言われる人の多くは東京を中心とした都市の意見を主張しています。 政策を実現するには政権与党の中でも数の力が必要です。 現在は、桜井新参議院議員、長島忠美衆議院議員などの先輩方もがんばっていらっしゃいますが、私も地域の真の声を伝えるために頑張りたいと思います。 今後とも応援よろしくお願いします。 今日はどうもありがとうございました。
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